日本語教育の裾野を広げるために
日本語教育を担っているのは誰か?
「日本語教育を担っているのは誰か?」ということを考えてみました。
一般的には、「日本語教師」が大学専門学校・日本語学校で留学生を教え、「ボランティア講師」が地域の日本語教室で技能実習生や日本人配偶者を教えているのというイメージでしょうか。
私も、地域の日本語教室でボランティア講師をしており、日本語教育の一端を担っているとの自負をもっていました。
「技能実習の指導員」も日本語教育の担い手である
ところが最近、ある疑問を持つようになりました。日本教室に来る技能実習生は全体のごく一部にすぎません。日本語教室に来ない技能実習生の日本語指導はどうなっているのだろうか?
文化庁の調査によると、徳島県の日本語学習者は585人となっています。これは技能実習生以外の外国人(たとえば留学生、日本人の配偶者など)も含めた数字です。一方で徳島県の技能実習生は3,140人です。大半の技能実習生は日本語教室には来ていません。
仕事で企業を回っていると、「技能実習生に日本語が通じなくて仕事に差支えている」との声をよく聞きます。
技能実習生が増加する中で、母国で十分な日本語教育を受けずに来日する技能実習生も急増しています。そして日本語が理解できない技能実習生に対して、なんとか日本語での指示を理解させようと試行錯誤している「技能実習の指導員」が沢山います。
これは、ある意味日本語教育ではないでしょうか。
ただし「技能実習生の指導員」で日本語教育のノウハウを持つ人は多くはありません。
技能実習生の指導員にノウハウ提供をしたい
文化庁は日本語教育に関わる人材育成に力を入れています。しかし、その対象は「日本語教師」「ボランティア講師」であって、「技能実習生の指導員」は含まれていません。
徳島県で日本語教師(ボランティアを含む)は120人足らずです。
一方で、徳島で外国人を雇用する企業は847社です。そのうち技能実習生を雇用する企業数、正確な数字はわかりませんが数百社になるのではないでしょうか。
そして数百人の「技能実習の指導員」がいて、日本語指導に取り組んでいる!
「技能実習生の指導員」に日本語教育のノウハウを提供する仕組み作りができないか?
そうすることが日本語教育の裾野を拡大することに繋がるのではないか?
そんなことを考えています。